白ねずみの本棚

マイペースな読書記録。映画もたまに。

映画『国宝』感想

評価:5/10

 

子役が美少年。まず思ったのは、キンキキッズを彷彿とさせた。若い時代の、関西弁で2人わちゃわちゃ仲良く楽しげに、芸の道に励む様子。

体育会系、嫌だなと思った。怒鳴る、感情的。人間関係めんどくさそう。

ストーリーとしては、主人公はどこか受け身で流されるままなだけに感じた。

あと話が分かりにくい。人物の見分けがつきにくい。

邦画あるあるだが陰鬱で楽しくない。

一般大衆には、美男美女を楽しむ、良くて歌舞伎を見てみたいと少し思うくらいしか得るものがないかなあ。

森七菜は好きなのでラブシーンは少しショックだった。映画業界の、ラブシーンとか狂気とか変な役をやれば実力を評価する、アイドル俳優から実力派への脱皮だみたいな風潮(建前?)はモヤモヤする。特に邦画はラブシーンやヤクザなどを入れたら本気の映画だって見てもらえるみたいに考えてる節があるような……。

全体の印象としては「邦画ってこういう感じだよね」。ぶっちゃけ、良さがよく分からない。

特殊な世界を、観客がよく分からないのを良いことに、それでハッタリかまされてる感じ。

カンヌ国際映画祭で高評価だったそうだ。海外で受けたのはヤクザや歌舞伎という日本伝統ぽいビジュアルと雰囲気だと思う。国内評価は、役者が頑張って歌舞伎を演じたのがすごいとかいう内輪話。

ここまで書くと辛口で批判しかないように思われるかもしれないが別にそういうわけではない。最後まで退屈せずに観れたし、この映画が高評価されてるなら、そこに対して別に突っ込んで反対とかではない。そうなんだーくらい。ただ、邦画って、あんまり良さがわからないんだよな、という域を超えず、エンタメとしての人気もアメリカにも韓国にも時には中国やインドにも劣るし、個人的にも刺さるものがなかったというだけ。なんか、内輪ウケ、独りよがりに感じる。

果てしなきスカーレット感想

星4/10

何が言いたいのか分からない。何か言いたそうで何も言ってないような「虚無」感。

不快感は特にそこまで無いが、感動も無い。変な意味で笑いはあった。

中身無し。映像重視?でキャラに個性なく、プロモーション映像やゲームっぽい感じ。

 

細田守監督作品として前作の『竜とそばかすの姫』も物語が薄いが友達と見に行く映画としては悪くなく絵面の華やかさもあり結構良かったが、今回のはその役割もイマイチ果たせないと感じた。

製作陣は豪華そうな名前が並んでいたが、ヒットさせるつもりで作ったとは思えない内容。なんのために作ったのかよく分からない映画。

映像は良いとしても、とにかく物語としてまとまりがなく、有名監督の作品として映画館で全国ロードショーする品質に到達しているのか疑問。娯楽を求める一般大衆向けにしては雰囲気が重く、話も分からず、しかし映画マニアや評論家向けにとしては内容が破綻気味かつ虚無感があり、誰向けなのかも分からない。

映像や声優など、ぱっと見はちゃんとしてそうに見えるが、しっかり観たら「何だこれ…?」と言う感じ。単につまらないや不快というより「本当にどういうつもりで作ったのか」「製作陣は完成品を観て変だと思わなかったのか」と疑問が大きい。

 

芦田愛菜ちゃんの演技は可愛かった。叫び声はうるさかった。

大量の3D人間を動かすシーンで「どや」感が滲んでいたので、CG技術のアピール?

なんとなく流行りのバズワードや技術を散りばめて作ってみた感(しかも最新じゃない。映画制作には時間がかかるから仕方ないが)。

 

予告編ではキングダムのような純粋なファンタジー世界の話かと思ったが違った。それは意外性として別に良いのだが、それを活かして面白くなるのかと思いきや、映画として低い完成度のまま完走した。

 

一番の見どころ

途端、歌に合わせてダンスシーンがあるのだが本当に唐突で世界観も壊れるし意味不明で、真面目に作って勝てないからウケ狙い、バズ狙いで入れたとしか思えない。『野原ひろし 昼飯の流儀』のアニメのオープニングや、一昔前の初音ミクのダンス(MMD=ミクミクダンス)のCGに雰囲気が似ていた。真面目に観ていた私はここで笑いのツボにハマり映画館で笑い死にしそうだった。

その前の砂漠で団体の人たちとかなり長尺のハワイっぽい歌とダンスシーンでうっすら違和感は感じていたものの許容範囲だったが、問題のシーンで完全に崩壊した。

もはや物語はあえて言葉にするまでもないレベルで酷いと感じたが、そのシーンだけでありえないほど笑わせてもらったので総合評価は優しめにつけた。

ここ以外では後半、海辺のシーンの背景にウミガメのCGが気になった。かわいいのだが何か不自然だった。ナルトの漫画のコラに見えるがコラじゃない不自然なシーンに似た笑える違和感があった。

 

脚本に疑問が残ったのは以下

・なぜ母親は主人公に酷いのか説明ゼロ

・なぜ母親と叔父がデキてるのか説明ゼロ

・叔父が捻くれてる理由が説明ゼロ

・国民が処刑場の周りで反対してるだけで止めない

・父親が処刑される直前の言葉、「自分を…」という意味だとしたら時間軸おかしい

 

その他思ったことメモ

ところどころ手塚治虫ジブリ(宮崎駿)っぽさを感じ、やっぱりこの世代の作り手は影響受けてるだろうなと思った。

・世界のナビゲーター(案内役)のキャラ→手塚治虫っぽい

・キャラの表情がたまに宮崎駿っぽい

主人公は女の子だが、本当は男の子で描きたかったのではないかな、でも観られやすさを考えて女の子主人公にしたのかなとシーンによっては思ったりした。

・最初の唇ひび割れながら砂漠で苦しんでる描写

・クライマックスあたりで、敵の至近距離で負の感情をあらわにして取り乱す主人公(このシーンが一番、細田守監督のクセを感じた)

 

普通に見ると本当に意味不明な映画だったが、私なりに深読みし、もしかしてこういう意図があるかも知れないという飛躍解釈を以下に書く。

看護師の男性は、男女の職業の垣根が低くなりつつある近年のニュープレイヤーであり、またコロナで注目された医療従事者というキーワードを取り入れた結果のキャスティングである。そしてきつい割に待遇は微妙、ともすれば見下されることもある看護師という職業。男なのに医者ではなく看護師。このキャラを活躍させる事で、看護師の仕事や、男性がケア労働などこれまで女性の仕事とされてきた領域に行く事をかっこいい、誇れる事だと印象付ける意図。

ところで、男は坊主頭であり今の時代の社会人青年にしては少しおかしい。実は彼はかつての日本の戦争で特攻隊などで命を散らした青年を暗喩している。そうじゃ無いとしたら坊主頭のキャラデザインがテキトーすぎるしふざけている。

そして主人公の女性が、抑圧や時代の変化に翻弄され苦しみながら、新しい時代を担おうとしている過去〜現代の女性を体現している。

本当の自分を押し殺し、女の子らしい柔らかさを殺し、男社会で硬い鎧で心も体もガチガチにガードした戦うバリキャリ女性ではなく、ここあらねばならないという思い込みにとらわれず、自由にのびのびと柔軟に自分の人生を生きよというメッセージを物語で伝えている。

二人のクライマックスのシーンは、戦後の日本の世代交代、バトンタッチを表している。

 

細田守監督の世代的に、戦争そして復興の記憶が残る時代〜女性の社会進出といった変化の時代を生きているので、ありえないテーマでは無いだろう。直接描くにはエンタメとして成立させにくく、暗喩にとどめた可能性がある。ワンピースの尾田栄一郎も映画『FILM RED』でウタという女子の存在感と「新時代」を描いており、昭和のおじさん達は男女の社会での振る舞いモデルの変化をしみじみと感じているのではないだろうか。

 

余談だが女主人公のキャラデザがピンク髪で前作『竜とそばかすの姫』と同じだなと思ったが製作者はピンク髪好きなんだろうか?

 

以下、批判するほどではないが少しキモいと感じた部分も一応記す。

主人公は「女の子」であるというアピールがちょいちょい挿入される部分である。作り手の意図があり狙ってだろうが、その表現の仕方が何となく違和感を感じた。

・幼少期、父に「女の子なんだからのびのびしなさい」的な事を言われる。これはリアルで「女はこうあれ」的な悪い意味でよくいわれるあるあるに通じるので、センシティブで取り扱い注意な内容である。この物語を最後まで見た上で、リスクを冒してまで挿入してそれを上手く消化できていたかは表現力の観点からやや疑問。

・主人公は強気で実際強いのだが、たまに「もうやだこんなの…」的な感じで泣く。分からんくはないので別に良いのだが、バトル作品で普通は挟まないこの表現が『あずみ』みたいに深みを持たせる効果的な表現になるのかと思いきや、全編見ていまいちまとまっておらず結果として何も伝わって来なかったので、クリティカルなシーンになっていなかったように感じる。意味あったの?という虚無感。

・傷口を手当てする時に、袖を切るという男に「恥ずかしい…」このシーンが一番違和感だったしキモい…と思った。直前まで戦ってたのに急に何?しかも袖を切られるだけで?普通に考えてそんなの思ったり言う奴がいるはずがない。このシーンだけ別人になったのか?という不自然さがあった。

・強い鉄の女的な女主人公が、唐突に男にナヨるシーンがちょいちょいあり何を見せられてるんだ…となった。つまり1つ上のシーンと合わせて心理描写の運びが下手で違和感がある。

・最後の方のシーンで主人公(泣いてる)と男の掛け合いで、

男「生きたいって言え!」女「嫌だ!」男「言え!」女「…イキたい!」男「もっと!」女「逝きたい!」男「もっとー!」女「逝きたいー!」※劇中では「生きたい」の意味

みたいなのが、それまでの女の子意識ネタの流れから、絶対下ネタの暗喩として入れてるだろ…と思ってしまった。

(こう言う事を言うとそんなふうに考える方が変態だとか言う人がいるが、そんな人は鈍感なだけで、クリエイターなんて繊細で感じやすくエロ好きなのがデフォだし、マーケティング手法でも性的な要素をこっそり入れ込むのは常套手段なので普通にありえる。というかほぼ確実に狙って作る。)

 

個人的にはキャラに魅力を感じなかった。

 

観客に伝えたいこと、感じてもらいたいこと、それを届けるための表現力が不足していると感じた。

 

『一生楽しく浪費するためのお金の話』読書感想

一生楽しく浪費するためのお金の話

作品情報
タイトル『一生楽しく浪費するためのお金の話』
著者 劇団雌猫 (著), 篠田尚子 (著)
発行年 2019

本作のお気に入り度は
5/5★★★★★


感想

非常にわかりやすかった。

漠然としてどうすれば良いかわからない将来のお金の不安が、スッキリクリアになる。

 

オタ活をするアラサー女性が主な対象の本だが、オタクじゃなくても役に立つので読んだ方が良い。

 

貯金も大事で、さらに今の時代は多くのお金を投資に回す事が重要だと感じさせられた。初心者におすすめの銘柄も掲載されているので、具体的にどうすれば良いかも教えてくれる。

 

また、女性は社会構造的に働き続ける事が難しい面が未だにあるが、それでも働き続ける事が大切だと背中を押して貰える。

 

2019年の本なので一部の情報が古くなってしまっている(新NISAに対応してない、ジャニーズがまだある)ので、制度などが新しくなるたびに更新して出して欲しい。

 

 

『マンガ 天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』【読書感想】つい読んでしまった謎の漫画

マンガ 天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ (日本経済新聞出版)

作品情報
タイトル『

マンガ 天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ


著者 北野唯我
発行年 2023

本作のお気に入り度は
3/5★★★☆☆

 

感想

なんだこのチャチな漫画…?

と思いながらもつい引き込まれ最後まで読んでしまった。

会社員向けのビジネス自己啓発漫画……?

会社の社員に天才、秀才、凡人がいるという話で、

会社組織におけるチームワークの大切さを説く。

 

斬新で他の人が思いつかないアイデアを持っているが、

コミュニケーション能力や再現性のある業務遂行能力がなく、

職場で変わり者扱い、排除されそうになる天才社員

に自分を重ねたのは私だけではないはず。

 

それはそうと、新人社員などは特に、

なんでも1人で完璧にできないといけないと思い込む人が多いが、

多様な人間のチームワークで、会社という組織が力を発揮するんだと気付かされる。

 

 

 

『楽しくなければ仕事じゃない―「今やっていること」がどんどん「好きで得意」になる働き方の教科書』【読書感想】エネルギッシュな女性は本当にすごい

楽しくなければ仕事じゃない―「今やっていること」がどんどん「好きで得意」になる働き方の教科書

作品情報
タイトル『

楽しくなければ仕事じゃない―「今やっていること」がどんどん「好きで得意」になる働き方の教科書


著者 干場 弓子
発行年 2019

本作のお気に入り度は
5/5★★★★★

 

感想

著者のエネルギッシュな言葉の数々に元気をもらえる。

男女関係なく、会社の仕事で働く意識に、喝を入れてもらえる。

たしかに、嫌々仕事をしても、良い事ないんだよなと気づかされる。

会社で働くモチベーションを上げたい人におすすめ。

 

ザ・一昔前のバリキャリおばちゃんという感じの語り口に、

一瞬たじろぎそうになるが、読み進めると内容はしっかりしている。

 

また、女性が会社の仕事で大きな役割を全うするのは

昔は特にだが、今でも、

本当に大変なのが現実であるが、

その現実をはねのけて活躍する女性は本当にすごい。

仕事、出産育児の両立…とワークライフバランスに悩む女性にもおすすめ。

 

 

『早回し全歴史 ──宇宙誕生から今の世界まで一気にわかる』【読書感想】買って損なし。知的好奇心をくすぐるおもしろ娯楽本

早回し全歴史――宇宙誕生から今の世界まで一気にわかる

作品情報
タイトル『早回し全歴史 ──宇宙誕生から今の世界まで一気にわかる』
著者 デイヴィッド・ベイカー、 御立 英史
発行年 2024

本作のお気に入り度は
5/5★★★★★


感想

分厚いので飛ばし読みだが、面白かった。

タイトルから世界史の本かと思ったが違った。

宇宙の誕生から生物、人類の誕生から発展、そして今後の宇宙と人類、

というような内容。

分厚いが、文章自体は簡単でとても読みやすく、挿絵もあり、

1つの内容は短いので、少しずつ時間をかければ気軽に読める。

 

宇宙関係は特に理論上の話なので、

真実かどうかは、現時点の我々人類には不明なことに留意されたし。

誰でも楽しめる内容だと思うが、

特にそういった宇宙理論や、SFに興味のある人には非常に楽しめる部分があると思う。

 

子供も好きそうな内容だが、

前述の宇宙理論で混乱したり、

下品ではないが(生物としてごく自然な行為としての)セックスに関する記述や、

人類の残虐性にまつわる記述もあるので、

家庭の方針によるがおおむね中学生以上が対象になるかと思う。

思春期以降の10代の子供たちが好きそうな内容だとも思うし、

表紙デザインやタイトルも、その年代ウケを意識していそうな感じはする。

 

勉強に役立つかといえば直接は役立たない。

学校で教えてくれない世界の見方といった内容で、

知的好奇心をくすぐる娯楽本。

分厚いので長く楽しめるという点でコスパよし。

 

 

『「できない自分」を脳から変える行動大全』【読書感想】作業療法士が教える日常の行動から人生を変える小技集。読みやすくお勧め

「できない自分」を脳から変える行動大全 (扶桑社BOOKS)

作品情報
タイトル『「できない自分」を脳から変える行動大全』
著者 菅原洋平(作業療法士)
発行年 2021

本作のお気に入り度は
5/5★★★★★


感想

日常での困りごとに対するちょっとした小技集のような内容で、

どこからでも読めるので手軽。ためになった。

非常に読みやすい上、やんわりとやる気が出るのでおすすめ。

見やすいデザインがとても良い。

著者が作業療法士と言うことも興味深い。

 

自分のだめなところが改善でるイメージが獲得できれば、

自己肯定感も上がるのではないだろうか。

 

科学的なメカニズムの解説の部分は、

もう少し詳しく書いてくれないと逆に

意味がよく分からないと思うところがたまにあった。